親父100まで生きるってよ

書くことで 自分の心も 保ちたい

再発と救急車

年末に退院して自宅療養となった母は、意外に?落ち着いた様子で半年くらい自宅で普通に過ごしていました。母はその間にパートに行き始めていました。

もう元通りだと思って過ごしていたある日の夜中、父に起こされました。1階に行くと母は泣いていて、何かブツブツ言いながら動けなくなっていました。「殺せ、殺せ」みたいなことを繰り返していました。

この時のことは僕が大人になって母から聞きました。パートを始めたものの人間関係がうまくいかなくて、そのうちに「おまえの子供を殺せ」という声が、昼も夜も母には聞こえていたということです。これが幻聴というものなんでしょう。

でも幻聴ってどうして殺せとか、死ねとかって物騒な言葉ばかりなんだろうかと。もっとこう、例えば「新しい服、似合ってるよ!」みたいな幻聴ならもっと前向きになれるかも・・・それはそれでうっとおしいか。

 

父と、夜中に病院で診てもらうには?→救急車を呼ぶ?という話になりました。でも父は電話が苦手なので、代わりに電話してくれ、ということで僕が電話しました。

電話に出た人に一生懸命、母の状態を伝えましたが、返ってきた言葉は「救急車は命の危険がある人を運ぶものだから、今のお母さんの状態では救急車は必要ないでしょう。お父さんが一緒にいるのなら、朝まで様子を見て、病院に連れて行ってもらうことがいちばんいい方法だ」というものでした。

たしかに、どこか痛いとか苦しがっているわけでもなく、動けないだけ。以前のように自分たちで病院に行けばいいと思って「わかりました」と電話を切りました。

精神科の病気では救急車は来てくれない。というより、救急車の必要がないのだと。この病気は自分たちで何とかしなくちゃいけないんだという考えは、この後から芽生えてきたのではないかと思っています。

 

母は翌朝、父に連れられ再度入院することとなりました。

父は最初入院した病院には母を連れて行かず、家から最も近い精神科に入院させました。