親父100まで生きるってよ

書くことで 自分の心も 保ちたい

退院してほしい理由

母の入院から半月ほど経過した時、父から、母を年末までに退院させてくるという話を聞きました。

最初は3ヶ月かかると聞いていたので「もうお母さん治ったの?」と聞くと、父の返事は「年末だし、家事がたいへんだから」というものでした。(え?それ大丈夫?)とか思いましたが、瞬時に飲み込んだのを覚えています。兄も何も言いませんでした。

もともと家事能力がまったくない父が僕と兄を使って家事をするものの、所詮小学生の助手、10日も続きませんでした。

見かねた親戚が家事を手伝いに来てくれたり晩御飯を持ってきてくれたりもしましたが、それも毎日ではないし、父は人の手を借りることは恥だと思ってる様子もあって断ってたり。

(お母さんに帰ってきてもらいたい)と思って、僕は飲み込んだんです。でもそれは病気が治った母を待っているのではなく、家事をしてくれる母を待っているんですよね。治ったわけでもないのに3ヶ月を1ヶ月に短縮するのが正しくないのは小学生でもわかる。だから飲み込んで父のせいにしたんです。

それはたぶん、自分が楽になりたいから。

余裕がないってこういうことだと、今ならわかります。

 

もしこの時、父に退院反対だと言ってたら、もし入院を続けてたら、その後どうなってただろう。そういう分岐点って、この病気に関わっていく中でいくつかあるような気がします。

 

結局、母は父(と僕ら)の予定通りに、年末に退院してきて自宅療養を続けることとなりました。